あと12日。朝、起きてこない娘は。
昨日、娘が言った。
「京大の問題のコツが分かってきた。前より解ける」
その顔は、たしかに手応えをつかんだ人の顔だった。
ああ、積み重ねは裏切らないんだなと、親の私まで救われた。
なのに、今朝は起きられない。
9時に声をかけ、眠い目をこすりながらやっとのことで動き出す。
あと12日しかないのに。
こんなので大丈夫なのか。
正直、胸の中はざわつく。
でも、少し引いて考えてみる。
夜9時まで塾で踏ん張っていること。
私大受験の翌日も、プレテストのあとも、また机に向かっていること。
きっと今は、走り続けてきた身体と心が、
「少しだけ回復させて」と言っているだけなんだろう。
受験は短距離走ではなく、最後の持久走。
毎日完璧に走ることよりも、
崩れずにゴールにたどり着くことの方が大切なのかもしれない。
焦るのは、親の仕事。
でも信じるのも、親の仕事。
娘はちゃんと、自分の力で壁を越え始めている。
朝がゆっくりでも、歩幅が小さくても、
前に進んでいるなら、それでいい。
あと12日。
私にできるのは、
不安な顔を見せることではなく、
「大丈夫だよ」と言える空気をつくること。
今日も、娘は塾へ向かった。
それだけで、十分すごいんだ。